外壁の張り替え

『モルタル外壁にヒビが入っていて、いつか落ちてこないだろうか?どうしたらよいですか?』との相談がありました。
いくつか案はありますが、現場調査の後、施工方法を提案する事にしました。

施工中の様子を中心にご紹介していきます。
 


まずは現地調査です。
外壁に横方向のヒビがたくさん走っていて、庇やテラスをたわませてしまっています。
サッシの納まりが好ましくなく(後述)そこから雨漏りしてモルタル下地のバシ板が悪くなったのでは?と考えました。
放置していれば剥落するのは時間の問題でしょうし、近隣には駐車場もあります。
築年数も考慮し建て替えも勧めましたが、『思い入れのある家だし、修繕してキレイな外観にしたい』
との思いを受け、建物全体をサイディングで張りかえる事にしました。
足場をかけて養生をし、外壁の解体からスタートです。
点検していくと、ヒビの大きさが実感できます。
解体してわかった事ですが、バシ板を使わない別の施工方法でした。
となると、何が原因…?
うーむ、はっきりとはわからなくなりましたが、金具が錆びていたりグラスウールも縮んでカビてしまっていたりと、湿気が多かったことは間違いなさそうです。
サイディングで仕上げる事は変わらないので、せっせと外壁撤去を進めます。
撤去の際テラスやベントキャップ、電気メーターなどは邪魔にならないよう撤去・移動し、最後に取り付けします。
解体が終わったので、サイディングをはっていきましょう。
まずは防水シートを張り胴縁を取り付け、16ミリのサイディングなのでひっかけ金物を使って施工していきます。
季節は猛暑日の続く夏真っ盛り、熱中症に注意しながらの工事となります。

外壁モルタルを剥がして防水シート、胴縁、サイディングと施工しますが、サッシの納まりがどうしても外壁面よりも奥になってしまいます。※写真右
そのため、当初は(写真左の赤丸の様な)見切り材を入れて納めていたようです。(見切り材でモルタル小口を止めていた)
この納まりではまた雨漏りを起こす可能性が高いので、対策として…
【1】サイディング小口とサッシの取り合い部を、板金で囲む
『釘が目立ってしまう』『サイディングと色が合わない』ので×
【2】板金で見切り材を造作
色が合わないのと、水の縁切りが不安なのでこちらも×
【3】その他見切り材を探す
あるにはあるが、今回ちょうど合う寸法がない
というわけで、シーリングで納めました。
こちらの方が水の縁を切るには確実ですし、意外とキレイに納まりました。
工事もここまで進めば、終わりが見えてきました。
あともう少しです。

施工が完了しました。
格子とポーチ灯などは再利用ができなかったため、新しく取り替えました。
サイディング張りにしたことで、水切りも取り付けています。水が外壁の裏側に侵入しても、防水シートを伝ってココから排出されます。
電話線がさび付いて断線していたというアクシデントもありましたが、修繕して解決です。

解体を伴う工事は埃や騒音の多いため、周囲にご迷惑をおかけしがちです。
近隣の皆様、ご協力ありがとうございました!

今回使用したサイディング:ニチハ 16ミリ Vシリーズ
参考見積 約340万円(税別、解体、足場など含む)