【ペットと共存する家】S様邸

一部床が痛み雨漏りもしてきたので、古くなった実家を住みよく建て替えたいとの依頼。
各展示場などを見ていくうちに、住宅の気密と断熱を同時に考えないといけない事も、よく学んだそうです。

室内で飼っている数匹の猫と一緒に過ごすため、冬暖かく共存する住まいをご提案です。

DATA
■福岡県中間市
■家族構成: 夫婦 + 猫 + 亀
■敷地面積: 137.41 m2 (約41.5 坪 建物部分のみ)
■床面積: 1階:64.59 m2 + 2階:43.88 m2 = 108.47 m2
■仕様: 高気密・外断熱工法
■C値(相当隙間面積)= 0.3 cm2/m2
■換気設備: 第3種集中換気システム(ルフロ400)


金属屋根(ガルバリウム)片流れ2寸勾配、壁は窯業系サイディングです。

『家の中で洗濯物が乾くので、バルコニーを造らなくてよかったです』とのお施主さまの言葉。
高気密・外断熱(高断熱)住宅は、適切な換気環境を造り冷暖房の効きもよくなるため室内干しも有効です。

片引きの玄関です。
玄関の片引き戸は、より断熱性能の高いK2仕様が選べません。
断熱と気密をもっとよくしたい場合は、片開き戸を選択してください
L型のキッチンをチョイス。
冷蔵庫など周辺の家具との納まりや換気扇の位置などはしっかりと打ち合わせ。
吊戸棚は外しました。
シンク裏の壁は、壁紙を木目調にしています。
周囲と柄を替える事で、部屋のアクセントになりました。
約19畳のLDKに5匹の猫と同居しています。
奥に見える桃色のドアが入り口で、アクセントとしてこのドアのみ色を変えています。
床から1メートルぐらいの壁紙、色が違うのがわかりますか?
壁紙で爪を研いでしまうため、対策として保護シートを貼ったそうです。
猫が潜って過ごすので、こたつは片付けられないそうです。

ペットと共存する際は、工夫が必要です。
室内犬の場合、フローリングで足を滑らせてしまい足腰を悪くする事例もあります。
防滑性のあるワックスを塗布したりカーペットを敷くなど、ペットにあった対策をしてください。
タンクレストイレは多機能で見た目もスタイリッシュ。
壁紙を一面だけ替えるだけでも、落ち着いた空間を演出できます。
紙巻器は木製で、お施主様の支給品です。
お施主様が一目ぼれした手洗いボウルは、有田陶器市で購入。
水栓金具は別途取り寄せて取り付けています。

階段下は収納空間として利用しています。
小さな開き戸が入り口で、高さは1Mぐらいですが日用品のストックなどを入れておくとよいでしょう。
埋め込みの本棚は階段の袖壁で、可動棚となっていますので高さの違う本にも対応。ここ以外にも埋め込み棚は作っていますので、後ほどご紹介。
 
猫のためのスペース、通称『猫部屋』
トイレはここに決めていたので、ケージや砂を置けるよう棚を設置しました。
においや埃の軽減を期待して、排気する計画にしました。
すぐそばの勝手口から、ゴミを出すことができます。
壁の色違いで腰壁の様にみえるものが、前述した保護シートです。
外壁に面する壁に埋め込み棚を設置。
断熱のラインが途切れることなくできるのは、外断熱工法だからこその強みです。
部屋の間仕切りも利用して造りました。
奥行きは壁の厚みの分なので最大13㎝ぐらいです。高さや出幅は寸法をお伺いして造りました。
3連引き戸は3枚の戸が連動して稼働する事で、片側に移動させれば間口の半分以上が開きます。
そのため、折戸に比べて使い勝手がよいと考え、リビング収納などでご提案しています。
内部は可動棚を取り付けたりハンガーパイプを取り付けたりと、自由度も高いです。
11月のとある日、エアコンを切っている状況での室温で、この日の外気温は17度と暖かい日でした。
エアコンを上手に使う事で、室内の温度差も小さくなります。
12月の寒い時期でもエアコンは20度設定、日中は暑くて消す日もあるとの事。
 
相対湿度(湿度○○%)だけでなく、絶対湿度(水蒸気量○○g)も表記される温湿度計の設置もオススメします。
気密測定の様子です。住宅にどれだけ隙間があるのか?を数値化します。
お施主様も興味津々、結果を見守っていました。
結果は C値= 0.30 cm2/m2 と、合格点です。
上棟式を執り行いました。
棟梁による祝詞の後、ご近所の方へご挨拶とご多幸を兼ねて餅まきをしました。
上棟式に使う道具一式は【上棟式セット】として、お茶屋さんなどで購入する事が出来ます。

撮影のご協力、ありがとうございました!